生命に水は必要か
ねこ助の息抜きブログ

生命に水は必要か

一般的に、生命に水は必要不可欠とされています。例えば人間は水なしに5日と生きることが出来ません。しかし、本当に水を必要としない生物はいないのでしょうか?今回は生物と水のお話をします。

生命に水は必要か1

まず、現在発見されている生物の全てがその生存の為に水を要します。この事実のために、地球外生命体を探す試みはその星に液体の水があるかないかを確認することから始めるのです。

勿論、地球外の話なので水以外で体を構成する生命がいる可能性もないとは言い切れません。しかし、闇雲に生命探査を行うよりは水の有る星で生物を探す方がアプローチとして理に適っていると言えるでしょう。


生涯を通して水を必要としない生命はいませんが、例外として一定期間水を必要としない生物達は存在します。その内二つをご紹介します。


セキユバエ


File:Helaeomyia.petrolei.larva.-.sbmnh.jpg
セキユバエの幼虫[1]

生命は如何なる環境にも適応し、生息域を広げてみせるものです。セキユバエとはアメリカのカリフォルニア州の油田中で発見されたハエの幼虫です。

成虫になると油田では生活できなくなりますが、幼虫の間は原油に落ちた羽虫と、原油そのものを食して生活しているそうです。当然セキユバエの幼虫には天敵がおらず、安全に育つことができます。

これは生命が油分に対して適応した事例であって、油分から生命が発生した事例ではありません。しかし、もし油分を主食とすることができる生命がいるのであれば地球外生命体が存在し得る星の候補も上がることになります。

クマムシ


File:SEM image of Milnesium tardigradum in active state - journal.pone.0045682.g001-2.png
クマムシ[2]

絶対に死なない生物というイメージが強いクマムシ。しかし、クマムシは突然潰されれば死ぬし、また突然燃やされれば死にます。寿命も短いです。

クマムシが真価を発揮するのは体内の水を放出して萎びた仮死状態になった時です。この状態ではどんな温度で熱しても、宇宙空間にさらしても死にません。

当然仮死状態なので、動き回ることは出来ませんがその間水分、その他食料を必要としません。クマムシ以外にも仮死状態や乾燥状態で水不足の期間を生きながらえる生物はちらほら存在しています。



地球上の生命は主に炭素と水で構成されています。その地球生命にとって水は代謝に用いるのに一番都合が良い物質です。DNAも有機元素で構成されており、これは地球上全ての生命が当てはまります。

なぜならダーウィンの進化の樹形図は今では根が一つしか存在しない(と考えられている)ためです。この地球内には存在しないと思われますが、代謝に水を必要としない生き物とは、則ち体組織、DNAの構成元素までもが地球生命と異なる生命体のはずです。



追記:
因果関係が曖昧なので、捕捉です。
「地球上の生命は主に炭素と水で構成されています。その地球生命にとって水は代謝に用いるのに一番都合が良い物質です。」と書きましたが、寧ろ豊富に存在する水の性質に合わせて生命が炭素と水で体組織を設計したのです。

ならばメタンの多い環境下であれば、メタンに適した生命が生まれるのかというとそれが難しい。生命にとって、水には溶媒と触媒しての優秀さが特異であることが無視できません。生命発生の条件は水の存在であるとは言えませんが、他の物質を挙げられないのも現実です。


[1]
Description Helaeomyia petrolei larva from the Coal Oil Point Reserve near Santa Barbara, California.
Date 9 August 2005
Source http://www.sbnature.org/collections/invert/entom/COP/COPflies.php
Author Michael S. Caterino & Cristina Sandoval, The Santa Barbara Museum of Natural History

[2]
Description English: SEM image of Milnesium tardigradum in active state. doi:10.1371/journal.pone.0045682.g001
Date 16 November 2012, 00:42:49
Source Schokraie E, Warnken U, Hotz-Wagenblatt A, Grohme MA, Hengherr S, et al. (2012) Comparative proteome analysis of Milnesium tardigradum in early embryonic state versus adults in active and anhydrobiotic state. PLoS ONE 7(9): e45682. doi:10.1371/journal.pone.0045682
Author Schokraie E, Warnken U, Hotz-Wagenblatt A, Grohme MA, Hengherr S, et al. (2012)