人類と鉄<隕鉄、ヘモグロビン>
ねこ助の息抜きブログ

人類と鉄<隕鉄、ヘモグロビン>


今回は鉄にまつわるお話をします。鉄は4000年前からトルコのヒッタイト帝国で使われ始めました。そして今では人類の金属利用の95%が鉄材となっています。そのため鉄は人類にとって非常に身近な金属と言えるでしょう。これから鉄の性質と人類との意外な関わりについて語ります。


-Contents-
鉄はなぜありふれた金属なのか
隕鉄の利用について
人体中の鉄について

鉄剣 イラスト

鉄はなぜありふれた金属なのか



鉄は二つの点でありふれた金属であると言えます。一つは、この世界、宇宙・地球に多量に存在しているということ。二つ目は最も多く使用される金属であることです。

前者については、核融合反応において鉄が最も安定となるので、星の形成と共に鉄が多量に生じたためです。(地球を構成する元素の内3~4割が鉄)

後者については、鉄の精錬、加工の容易さが理由です。青銅器に比べると成型の難易度は高いものの、金属の中では精錬、加工が容易と言えます。

余談ですが、ワシントン記念塔には天辺にアルミニウム塊が置かれています。アルミニウムの精錬の難しさから、当時アルミニウムは銀や金と同じ価格で取引された金属だったのです。

19世紀初頭まで、アルミニウムすら精錬が難しかったのですから、他の金属の利用量が現在でも5%程度しかないのも頷けます。

隕鉄

隕鉄の利用について



地球に飛来する隕石で、鉄を含んだものを鉄隕石、隕鉄と呼びます。上述したようにこの世界には鉄の存在量が多いため、地球にやってくる隕石にも鉄が含まれている場合があります。

この隕鉄から装飾品やナイフなどの武器が作製されることがありました。ツタンカーメン王の棺の中から出土したナイフは隕鉄から作られていたことが成分分析で明らかになっています。

フィクションですが、ダンブラウン氏の「ロストシンボル」では最凶の儀式道具として隕鉄製のナイフが登場します。

隕鉄はクロム、ニッケルを含んだステンレス鋼に近い物質であることが多く、隕鉄からは錆びにくく耐久性の高い武器が作れます。ニッケル含有の知見はなくとも職人は、そのことを知っていたのです。日本でも隕鉄を利用した刀が実在し、隕石刀や流星刀と呼ばれています。


人体中の鉄について



地球の動物は皆有機生命体ですが、金属を全く含んでいない訳では有りません。カルシウム・鉄・亜鉛・マグネシウムを人体における4大金属元素といいます。

そのうち鉄は血液中のヘモグロビンに存在し、酸素の循環機能を担っています。ヘモグロビン中の鉄の錯体は赤色です。そのため人体の血は赤黒い色をしています。

ちなみに、イカや昆虫の血は青色です。彼らは酸素の運び手として銅を用いているからです。鉄も銅も複数のイオンの価数で存在できます。それを生命は酸素の脱着機構に利用しています。
まとめ
・人類が利用する金属の95%は鉄である
・隕石から装飾品や武器を作る技術が存在する
・哺乳類は鉄、昆虫は銅を酸素の運び手として利用している