ハーバー・ボッシュ法の功罪について
ねこ助の息抜きブログ

ハーバー・ボッシュ法の功罪について


今回は誰もが一度は高校で習うであろうハーバー・ボッシュ法について、当時の社会情勢を踏まえてご紹介します。



ハーバー・ボッシュ法とは


ハーバー・ボッシュ法は、1906年にフリッツ・ハーバーらによって考案された、窒素と酸素からアンモニアを製造する方法です。

化学式はN2 + 3H2 -> 2NH3と単純ですが、実際は反応速度と平衡移動を綿密に計算した上で、温度や圧力を調整してようやく得られる高等なアンモニアの製造方法です。


ハーバー・ボッシュ法による恩恵


今の高校教育では製造方法を化学式で習うのみで、それが当時の社会について与えた影響を教えることは滅多に有りません。

そのため、印象が薄い方も多々いらっしゃると思います。大事なのは、アンモニアは植物にとって肥料となることです。

ハーバー・ボッシュ法により空気から窒素肥料が合成できるようになったことで、人類の食糧生産量は大幅に向上しました。ハーバー・ボッシュ法は農業、人類の食糧生産に多大な貢献をしています。

その功績が認められ、ハーバーは1918年にノーベル化学賞を受賞しています。


ハーバー・ボッシュ法の功罪



当時ドイツは戦争間際、第一次世界大戦の火ぶたが切って落とされるか否かという状況でした。爆薬や肥料などの窒素化合物の輸入を妨げられた際に、安定してそれらを生産できるようにする必要がありました。

ハーバー・ボッシュ法はこの需要の最中に考案された方法です。大事な点は、人類の生み出した爆薬の大半が窒素化合物であることです。ハーバー・ボッシュ法は肥料だけでなく、爆薬の生産量も上げてしまいました。

大量に作られた爆薬は第一次大戦時の塹壕戦に使われ、多くの人がその命を奪われました。ハーバー・ボッシュ法がなくとも、いずれは戦争が起こったかも知れません。しかし、ハーバー・ボッシュ法の誕生が、世界大戦のきっかけになってしまったと見ることもできます。

農業への貢献と戦争への寄与、一つの技術革新がもたらした影響は功罪含めて多大なものだったのです。


まとめ
ハーバー・ボッシュ法は
 ・20世紀初頭に開発されたアンモニアの製造方法である。
 ・食糧生産量の向上に大きく貢献した。
 ・一方で、弾薬の生産にも寄与している。