オルバースのパラドックスから考える宇宙の姿
ねこ助の息抜きブログ

オルバースのパラドックスから考える宇宙の姿


今回はオルバースのパラドックスから宇宙について考察します。オルバースの考えた素朴な疑問が、実は宇宙の姿について核心に迫る問いでした。オルバースのパラドックス、そしてハッブルの法則から宇宙の姿について考えます。


-Contents-
・オルバースのパラドックスとは
・矛盾の原因
・宇宙の年齢
・宇宙は有限か?



オルバースのパラドックスとは


オルバースのパラドックスは19世紀の学者H・ヴィルヘルム・オルバースによって提起された宇宙に関する疑問です。


「この宇宙には数多の輝く星が存在する。宇宙の広さを無限とするならば星々の数も無限であろう。ならば地球から見た空は無数の星からの光によって埋め尽くされるはずである。つまり、地球は常に無数の星に照らされ夜が存在しないはずである。

しかし、実際には昼と夜が存在し、夜に太陽の光が差し込まない時には,地球の空は夜空となって幾ばくかの星の光が輝くのみである。なぜ夜は暗いのか」


オルバースのパラドックス

矛盾の原因


この矛盾はなぜ生じるのでしょう?オルバースの仮定には誤りがあります。それは宇宙の歴史を無限と考えたことです。現在では、宇宙の年齢も限りあるものと考えられています。

宇宙の歴史を無限とするとは、どういうことでしょう。普段私たちは意識しませんが、光の速度は無限速では有りません。地球から彼方にある星の光は届くまでに時間がかかるのです。図のように無限遠からの星の光は無限の歳月をかけて地球に届きます。

宇宙の年齢が無限で、始まりが存在しないのであれば、地球には全ての星々の光が降り注ぐことができます。言い換えれば、「存在する全ての星の光が地球に到達している」という仮定が誤りなのです。

オルバースのパラドックスに対しての答えは、宇宙の年齢は有限だからというのが一番簡単な回答です。これについてはハッブルの法則(1929)が証明を与えてくれます。

無限遠の距離からの光


宇宙の年齢


アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは「銀河の全てが地球から遠ざかり、遠方の銀河ほど高速でわたしたちから遠ざかっている。その速さはわたしたちからの距離に比例している」という観測結果を発表しました。(下図のように、点からスタートして、ある時間tでの距離が離れていた天体ほど高速度で動いている、といっているだけです。天体各々の後退速度は一定)これをハッブルの法則といい、式でV=HrVは後退速度、Hは比例定数で、rは距離)と表されます。

式変形を行いt=r/V=1/Hとすると、宇宙の年齢が概算でき約139億年と求まります。つまり、宇宙には起原があるのです。139億光年以上離れた位置に星があっても地球には未だ光が到達出来ません。そのため、無限数の星の光が降り注ぐことはないのです。

ハッブルの法則1
ハッブルの法則2

点線は139億光年以上の距離.
点線内の光(有限の範囲)しか地球に到達できない.

宇宙は有限か?


オルバースのパラドックスについて、その原因を宇宙が有限であるからとする説があります。この説明は正確では無いと私は考えています。仮に宇宙の大きさが有限でも、星は無限に見えるという場合が存在するからです。面白いことに、ハッブルの法則は、宇宙のどの場所にいても当てはまります。つまり地球は宇宙の中心ではないということです。

それどころかこの宇宙に中心が存在しないことが示唆されます。宇宙の姿は諸説あり,完全な証明は依然として為されていません。ただ、ハッブルの法則から推定される宇宙の姿は、ゴム風船の表面に近いものがあります。ゴム風船そのものではなく、風船の表面です。

風船表面にマジックペンで記された点が我々の銀河や星を表します。風船表面(宇宙)の大きさは有限でも、もし、光にとって宇宙が循環型の構造をしていれば、視覚的には星は無限に存在することになります。ゆえに私は宇宙の大きさでの説明は煩雑であり不適であると考えています。

今回はオルバースのパラドックスからハッブルの法則を用いて宇宙の姿を想像しました。機会があればまた宇宙について記述します。