暗号の種類 解説
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暗号の種類 解説


古くから存在する暗号について3つ紹介します。暗号とは、特定の人物のみにその真意が伝わるように記述された情報を指します。

戦争中では敵に作戦が伝わらない様に文書の暗号化が行われました。また広義には、歌や小説といったエンターテインメントにもレトリックとして用いられます。小説では、多義的な解釈ができるように工夫がなされ、趣深いものとする技法が存在します。



-Contents-
・いろは歌に隠された言葉
・ジュリアス・シーザーの暗号
・アナグラムとハリーポッター



暗号 種類 解説

いろは歌に隠された言葉


暗号として有名なのが「折句」です。折句とは文章の一部の単語を選択した際に、隠された文章の真意が伝わるようにした技法です。有名な例として、「いろは歌」が挙げられます。いろは歌は47字の平仮名を重複しないよう並べた文です。以下にいろは歌を掲載します。


いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ  つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
匂いたつ綺麗な色の花もいずれ散ってしまう この世で不変な物などないのだ 現世を超越して 儚い夢をみたり 酔いに任せたりしない


このいろは歌を7文字ごとに区切って並べると,次の様になります.
いろはにほへ
ちりぬるをわ
よたれそつね
らむうゐのお
やまけふこえ
あさきゆめみ 
ゑひもせ 


各行の一番右の文字を抜き出してみると、「とかなくてしす」つまり「咎無くて死す」という文が浮かび上がります。いろは歌の作者は依然として不明ですが、無実の罪で処刑される人が詠んだ歌ではないかという説があります。この様に特定のルールに基づき文字を抜き出すことで読めるように、文章に別の意を隠す技法を折句といいます。



ジュリアス・シーザーの暗号


かのジュリアス・シーザーが用いた暗号を換字暗号といいます。シーザーは戦時中、敵兵に伝令が漏れた場合に、自軍の情報が漏洩しないように文書を暗号化していました。シーザーの暗号の解きかたは,各アルファベットを決まった文字数だけシフトさせる、というものです。

シフトする数や前後どちらにシフトするか、などは文書の運び手とは別の伝令役に指示して相手に伝えていたようです。からくりが分かってしまえば単純な暗号ですが、シーザーの画期的なところは、暗号を解くカギ(暗号を解くためのルール)を別に用意したという点にあります。文書に対して鍵を用意し、別の手法で相手と鍵を共有する方法は現在のあらゆる情報伝達の基礎となっています。



アナグラムとハリーポッター


もう一つ暗号として、有名なのがアナグラムです。アナグラムは名前の文字を入れ替えることによって別の文章や単語を創出する言葉遊びの類の暗号です。上二つと異なり、文字の順番を入れ替えて出来る文章は無数に存在するため、戦時中の機密文書などに用いる暗号としては適していません。アナグラムは数々の文学作品に取り入れられてきました。

J.K.ローリング氏の作品「ハリーポッター」ではTom Marvolo Riddleについて文字を並び替えるとI am Lord Voldemortとなるという設定があります。ダン・ブラウン氏の「パズルパレス」ではエンセイ・タンカドという人物について物語の鍵となるアナグラムが用いられています。日本の作品では村上春樹氏が「ダンス・ダンス・ダンス」の登場人物,牧村拓を作者自身の名前のアナグラムとして登場させています。


余談となりますが、「ハリーポッター」では、登場人物の名前がその性格を表している場合が多くあります。例えばSeverus Snapeは英語とラテン語の組合せで、冷酷、過酷なという意を表します。マルフォイは悪いを意味するmalという接頭語に信用を意味するfoiを組み合わせて「信用できない者」の象徴として描かれています。