心臓の鼓動と時間感覚 ゾウの時間ネズミの時間 
ねこ助の息抜きブログ

心臓の鼓動と時間感覚 ゾウの時間ネズミの時間 

「サイズの動物学」として有名な「ゾウの時間ネズミの時間」という本について紹介します.本の内容の要約と、勘違いし易い箇所について捕捉説明を書きました。



ゾウとネズミの時間感覚は異なる?


まず本書の要約を記述します。大きさの違う動物同士では、世界の見え方が異なります。例えば、ゾウにとって平な道もネズミにとっては小石など障害物の多い凸凹道となり得るということです。同時に著者は、両者の動物では体感している時間の進みも恐らく異なるであろう、と主張しています。

その論拠として2つ挙げられています。


1.生物の体重が大きいほど、心臓の鼓動や遅くなり、呼吸頻度が低くなることから、大きな動物ほど活動そのものが鈍いものとなっていること
(脈動間隔が体重の1/4乗に比例)


2.哺乳類では、どの動物も一生のうちに心臓が20億回打つこと
(動物の平均寿命/脈動間隔が一定)

つまりゾウとネズミは、寿命は違えど各々体感的には同じだけの時間を生きているということです。

ゾウの時間 ネズミの時間

さらに私たちを取り巻く大気や水についても感じ方が生き物ごとに異なります。ミクロな単細胞生物にとって液体の水は粘っこい水あめの様であるというのだから驚きです。

私たちの世界に対する常識と、大小様々な動物の常識は各々異なります。もし私たち特殊な道具を用いて小さくなったとしたら、世界は一変して感じるだろうことは非常に興味深いことです。



心臓の鼓動回数は生まれた際に決まっている?



本書で注意すべきことは、心臓の鼓動回数にリミットがあるのだと錯覚しがちであるということです。著者は、どの哺乳動物も平均的に心臓が20億回くらい鼓動したところで死ぬ、と述べているだけです。

その死因には捕食されたり、病気になったりと様々な死因が含まれます。(心臓の鼓動回数は生まれたときに決まっているという説も何処かで聞きましたが、この本の主張ではないと思います)

ちなみに脈拍を80/minとして計算すると、20億回心臓が鼓動するとき人間はおよそ50歳です。現代の日本人の平均寿命は80歳を超えます。医学の発展や衛生環境の改善,食生活の変化などによって人類が自ら掴みとった時間を大切に生きたいですね。



今回紹介した本は、理系学生でなくても理解できる良書だと思います。茶碗の水はすぐ冷めるが風呂の水はなかなか冷めない理由など、実学に基づいたお話も紹介されています。(サイズと表面積の問題)哺乳類だけでなく、昆虫や刺皮動物の解説も載っています。